葬式で出される食べ物にはどういった意味合いがあるのでしょうか。まず葬式で出される食べ物には精進落としという意味合いがあります。その意味合いも時の流れとともに変わってきています。その昔は、仏教の教えによって肉や魚を断つというのが本来の意味合いです。
つまり料理に肉や魚を一切使わないということです。それらの料理は精進料理と呼ばれています。しかしながら時の流れに伴ってその意味合いが薄れてきています。現代ではその大きな意味合いは参列者へのおもてなしです。
どんなおもてなしをするのでしょうか。火葬場から戻った時に親族やお世話になった方々へお酒と食事を振る舞います。これはおもてなし以外のなにものでもありません。本来仏教ではお酒を飲むことは大きな罪となっています。
ところがそれが中国を経て日本に伝来される頃には、なんとお酒を飲むことは罪ではなくなっていました。例えば現在でもタイなどのテーラワーダ仏教ではお酒を飲むことは大きな罪となっています。日本ではお酒を飲むことも肉やお魚を食べる事も許されています。この辺の違いについては、改めてじっくりと考える必要がありそうです。このように葬儀で出されるお食事については、その意味合いが変わってきています。精進落としというよりも、葬式に参列してくれたことへの感謝の気持ちと、その労をねぎらう意味合いが主体となっています。葬儀の食事は時間を見計らって出すことが大切です。葬儀で関係者から提供されるお供えはとても大切です。それで故人の人柄が偲ばれます。