日蓮宗は開祖である日蓮によって鎌倉時代に開かれた宗教です。総本山は山梨県にあるお寺で、その下に大本山と本山があります。日蓮宗でもっとも大事な経典としているのは法華経であり、南無妙法蓮華経の題目の中に経典の功徳がしっかりと込められていると考えて、この題目を唱えることがもっとも良い修行だとされています。
それでは、葬儀の流れをあらかじめしっかりと知っておきましょう。まず、僧侶、式衆の人たちが入場してくるときには、一礼をして迎えましょう。次に、総礼があって道場偈、勧請、開経偈があります。読経と唱題をするときには、そこにいる全員でお経を読んだり南無妙法蓮華経を唱えたりします。
途中で、開棺や引導などといった日蓮宗独自のものがあり、開棺とは導師が棺の前に行って棺の蓋を叩いて、経文を読むという儀式です。次に献供をしてお茶やお膳、お花などをささげます。もしもあらかじめささげているときにはこの流れは省略です。引導というものは、故人を仏に出会わせるために送り出してあげる儀式のことです。導師が払子を振りながら引導文を読んでいきます。焼香は唱題の間に回すということになります。三本の指でお香をひとつまみして、顔の前にかかげながら故人の冥福をしっかりと祈って、火種の中へふりかけて回します。遺族は、焼香をしてくれた参列者の人たちひとりひとりに向けて、しっかりとその場で一礼をします。一通りのことが済んだら閉式で終わりという流れです。